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アサギマダラの雄はなぜフジバカマの花蜜を好むのか

2007年08月22日 23:35

今日はちょっと科学的なお話です。
アサギマダラは渡りをするチョウとして注目を集めて
近ごろはマーキングによる調査が行われたりしています。

夏のこの時期はアサギマダラばかりでなく多くのチョウを集めている
フジバカマに代表されるヒヨドリ属の花達が目立ちます。
こちらでもJoe-pye-weed (Eupatoriadelphus purpureus)には
多くの蝶たちが密を吸いに集まってきます。

Eastern Tiger Swallowtail ♀

Eastern Tiger Swallowtail


Sweet Joe-pye-weed (Eupatoriadelphus purpureus)

070719040.jpg




何故このあまり花としては目立たないヒヨドリバナ属が
チョウに人気があるのか調べてみました。
(O-chanさんの疑問より)

アサギマダラ幼虫の食草は
ガガイモ科のキジョラン、カモメズル、イケマなどですが、
ガガイモ科はアルカロイドやカルデノライドを含む
有毒植物として知られています。
アサギマダラは幼虫時代に有毒物質を体内に蓄積させます。
この有毒物質は成虫になっても体内に蓄積され続けれるので
鳥などの捕食者に忌避されます。
有毒物質が体内に蓄積されることを選択蓄積と呼ぶそうです。

最初にマダラチョウ族の選択蓄積が確かめられたのは
ガガイモ科のトウワタを食草とするオオカバマダラで、
トウワタに含まれるカルデノライドを蓄積した
オオカバマダラを食べさせると、
鳥は中毒を起こして激しい嘔吐にみまわれます。
カルデノライドというのはジギタリスなどに含まれる
強心剤として利用される成分で
人間では蓄積などはされず代謝・排泄されます。
アサギマダラもトウワタに産卵することは知られていますが、
トウワタの葉は毒性が強すぎて
幼虫が死んでしまうことであるそうです。

実はフジバカマを含むヒヨドリバナ属も
アルカロイドを含む有毒植物だそうです。
アサギマダラの雄はフジバカマの花蜜から
ピロリチジンアルカロイドを取り込んで
天敵から身を護るばかりでなく
毒物を代謝し、2種の代謝物を生成し
性フェロモンとして分泌すしています。

フェロモン:同種内で情報伝達を担う化学物質のこと。
性フェロモン:配偶行動に関係する物質をいう。
他感作物質(allelochemicals):種間での情報伝達に関与する化学物質。
アロモン(allomone):発信者に有利に働き受信者に不利に働く他感作物質。

ガガイモ科のカルデノライドやヒヨドリバナ属のピロリチジンアルカロイドは
もともと昆虫などの食害から身を護るために
植物の体内で作られるようになった毒物であると考えられています。
アサギマダラはこの2種の異なるアロモンの毒を
幼虫、成虫時代を通して克服して
天敵から身を護ることと、配偶行動のための性フェロモンの原料と
異なる利用をしているというすごいことをしているんですね。

ヒヨドリバナ属の花密はアルカロイドを含むと言うことが分かりましたが
そうするとこの花に集まってくる他の多くの昆虫たちも
アルカロイドを選択蓄積しないまでも
代謝できるということなんですかね~~?

コメント

  1. 0-chan | URL | -

    へえええ;;;

    あの地味な花にそんな成分があったのか!って事と、
    アサギマダラが そんな事を知ってか知らずか、
    DNAの中に 食っときゃ生き延びられる。。。っていう情報があるってことに
    色々驚きましたわ~~(-_-)!
    これまた勉強になりましたっ ありがと~アップルさん<(_ _)>

    それにしてもヒヨドリバナの茎には 気持ち悪いほどのアブラムシが
    よくくっついています。
    あのアブラムシも テントウムシから身を守ってたんでしょうか?
    数年 自分の庭の害虫駆除をしてきたら、
    この葉っぱにはこの虫っていう組合せがわかってきました。
    みんなそれぞれ 生きるための『納得!』な理由あっての関係なんでしょうね。。。

  2. アップル | URL | 9LpUWCrY

    昆虫の世界

    は植物界とふかーい関係がありますが
    あまり私達は知らない世界で
    かろうじて最近目立つ蝶には興味を持っているのですが
    これ探りはじめたら沼のようにはまりそうですね。
    ま、綺麗なものだけに留めておくのが無難そうよね。

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アップル

Author:アップル
4年間近く続けてきた「ヴァージニア便り」のタイトルを
「Nature Journal」 に変更しました。
相変わらず野生の花を探しての旅が多いと思いますが
今までよりも幅広い自然の写真を撮っていきたいと思っています。


アップル的生活にはアメリカ生活、ニャー達、園芸植物、お料理の話題などを載せています。

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